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第2回口頭弁論

準備書面2

 

原告ら訴訟代理人    

弁護士 徳永 信一

弁護士 葉狩 陽子

 

 

第1 補助参加人の第2準備書面について

1 同第1の1(2)は、原告準備書面1の第1の2(1)から(9)までの認否がなされているが、同(10)~(12)については触れられていない。

2 同第2(求釈明に対する回答について)について

(1) 前提事実について

 ア 後付けコンセントについて

 補助参加人は「後付けコンセント」について、平成30年12月に設置した事実はなく、従前から設置されていたというが、補助参加人は管理主体が国から沖縄県に代わる前から管理を委託されていたのであり、同「後付けコンセント」につき、設置主体(責任者)、設置時期、設置理由(なぜ、後付けコンセントを24時間通電のブレーカーにつないだのかを含む)について釈明を求める。

 

 イ 延長コードについて

 補助参加人は「延長コード」は市販の家庭用ではなく、設備管理会社の専門技師(電気工事士)が施工した設備会社による自社製品であったというが、当該設備管理会社及び専門技師を明らかにした上、発注内容を確認すべく同社に対する様を記した発注書を提示されたい。

 なお、市販のテーブルタップであってもJISマークもPSEマークも付されている。マークは法令基準を満たしている以上の意味はない。耐性については、1500Wまで大丈夫だという容量の保障だけであり、消防局が指摘していた踏みつけや引っ張り、いたずらによる被膜の劣化、撚線の切断に対する耐性を保障するものではない。

(2) 求釈明事項1(LED照明と延長コードの安全対策)について

 補助参加人は、来園者は靴を脱いで拝観するから、コードに過剰な踏圧はかからないというが、靴を履いているかどうかにかかわらず、踏みつけによって直接コードに体重による加重がかかることに変わりはないし、折れ曲げも生じる。ひっかけて蹟けば引っ張りが生じる。固定されていないため、いたずらされる危険もある。

 また、正殿が木造復元建物であるため、建造物に配慮する必要があったから、金属管に収納しなかった旨述べるが、建造物を傷つけないこととコードを固定して金属管に収納するなどして保護することとどう関係するのか不明である。むしろ、固定して金属管に収納することの方が仮設の延長コードのままにしておくより、建造物の保護に資すると思われる。なによりも拝観者による踏みつけ、引っ張り、いたずらによる被膜の劣化・撚線の切断によるショート等による出火の危険に照らし、固定して他のケーブルのように金属管に収納するなどして常設の設備とすべきであった。繰り返しになるが、このことは消防局も指摘しているところである。

 なお、補助参加人は延長コードの配置場所は来園者の主要動線から外れていたというが、実際には拝観者の拝観者が踏みつけたりひっかけたりする危険は十分にあり、そのことは実際に拝観者によって撮影された写真によって証明されている(甲5の1・2)。

(3) 求釈明事項2(LEDコンセントの抜き差し)について

 清掃員は、火災の前日LEDライトについては電源コードのスイッチを切って電源を落とし、送風機はプラグを抜いていたと証言している(甲4P14)。補助参加人の回答によれば、それが通常のルールないしルーティーンであり、LED照明の電源についてはプラグを抜くという措置はとっていなかったということのようである。それでよいか再度確認を求める。

 LED照明のプラグを抜いていれば延長コードへの通電はなく、延長コードがショートすることもなかったし、プラグがトラッキングを起こすこともなかった(例えば、家庭のTV用電源でも使用しないときはトラッキング防止のためにプラグを抜くことが推奨されている)。補助参加人が清掃員や警備員に夜間のLED照明についてプラグを抜くことを指示していなかったとすれば、それは電気トラブルによる火災に対する注意義務違反を構成するものであるといえる。

(4) 求釈明事項3(後付けコンセントを24時間通電ブレーカーに接続していた理由)について

 補助参加人は21時30分にブレーカーが自動遮断する設定になっているのは、平成4年からのことであり、そのことに関与していないことをもってその理由についての回答を拒んでいる。しかし、夜間に不要な電源を落とすことは火災防止上理にかなっており、そのために設定されたものと推認される。意味もなくかかる設定がなされるはずはないのである。そして、補助参加人はそのような設定になっていることを知っていた。すなわち、補助参加人は正殿の電源は不要なものは火災防止のために夜間電源が落ちる設定になっていたことを知っていたということになる。

 そうである以上、その防火に配慮した設定に従うべきであり、夜間に電源の落ちない24時間通電するブレーカに繋がる「後付けコンセント」に「延長コード」(LED証明に接続)を接続すべきでなかったというのが原告らの主張である。補助参加人には正殿における火災防止上の注意義務に違反する過失がある。

 そもそも「後付けコンセント」が24時間通電の12番ブレーカーに接続されていたという事実は、それが一時的、仮設的、緊急的な電源として予定されていたということである。常設の設備であって、かつ、夜間不要なものの電源となることを予定していなかったということである。LED照明は、常設的な設備であり、かつ、夜間不要なものであった。そもそも、正殿における電気トラブルによる出火防止の設計上、LED照明のような常設的な設備の電源となることを予定していなかったといわざるをえない。

 補助参加人は延長コードのコンセントの挿し口の位置を理由に24時間通電していた「後付けコンセント」に接続したと回答する。因みに別の「コンセント」は21時30分の電源が落ちる設定になっていたと思われる。はじめから、このコンセントを使用して固定化しておけばよかったのである。床下を通すこともできたはずである。

 それでも「後付けコンセント」につなぐのであれば、24時間通電していない他のブレーカーに後付けコンセントそのものを付け替えるなり、当該ブレーカーを自動切電するようプログラムを変更すればよかったのであり、いずれも容易にできたことである。そもそも防火上、はじめから仮設ではなく常設の設備として固定して金管内に収めておけばどこから電源をとっていてもよかったことである。

 さらにいえば、常設配線に使用されるケーブルは、太い単芯であり、劣化に強いが柔軟性がない。他方、正殿に用いられた延長コードのような仮設配線の配線は、細い線の撚線であるため、柔軟性は高いが、踏みつけによる加圧や清掃時の移動による折り曲げや捻じれに劣化する。細線の1本1本は切れやすいので、折り曲げや踏みつけにより少しずつ切れて劣化する。同じ個所で多くの細線が切れてしまうと抵抗値が高くなり、電流のボトルネックとなって熱を帯び被膜を劣化させていく。さらに細線が切れると発熱が閾値を超え発火する。常設の施設に用いるのは不適切だった。

 ところで、補助参加人は後付けコンセントが繋がっていた12番ブレーカーが監視用カメラの電源になっていたことをいうが、夜間必要な電源と不要な電源をきちんと区別して管理すればよかったのである。監視用カメラの配線に用いる24時間通電のブレーカーに繋がる「後付けコンセント」にLED照明に繋がる延長コードを安易に繋いだことが防火上の過失だったといわざるをえない。因みに、24時間通電する監視用カメラの配線は、金属管によって保護されていた。

 結局のところ、敢えて常設ではなく仮設を選択し、かつ、24時間通電する「後付けコンセント」に延長コードを繋ぎ、かつ、常設化(固定して金属管に収めること)を怠り、かつ、夜間はプラグを抜くという防火上の安全対策を怠ったことが延長コードのショートないしプラグのトラッキングによる出火の原因となったのである。

(5) 求釈明事項4(補助参加人らが作成提出した消防計画等)について

 ア 警備巡回マニュアル

 補助参加人は「警備巡回マニュアル」として丙第5号証の1枚ものを提出してきた。しかし、これは原告が求めているもの(再発防止委員会報告書(乙9)p124)とは、明らかに違うものである。[1] 再度、「警備巡回マニュアル」(乙9p124記載のもの)の提出を求める。併せて、丙5号証に記載された「業務計画書」の提出も求める。

 イ 消防計画

 消防計画については丙第6号証が提出されているが、これは平成31年3月25日提出の消防計画変更届であり、変更前のものは提出されていない。当該変更が部分的なものか全体的なものか不明であるため、再度、変更前の消防計画の提出を求める。

 ウ 自衛消防計画

 提出されていない。再度、提出を求める。

 エ 警防計画

 那覇市消防局から補助参加人に交付されたものであるが、未提出であるため、再度、提出を求める。

 オ 防火計画

 補助参加人理事長が沖縄県議会土木環境委員会で答弁しているもの(甲6)。未提出であるため、再度、提出を求める。

 

第2 鍵谷論文(出火原因に関する補充)

1 専門誌「環境施設」に連載された『首里城炎上!』

 公共投資ジャーナル社発行の雑誌「環境施設」には環境計画センター理事の鍵谷司氏が寄稿した論文『首里城炎上!』が連載されている。

鍵谷氏は大型リサイクル施設の火災に係る保険金請求事件に2度専門家としてかかった経験をもっている(甲13)。

2 出火原因

 鍵谷氏は2時30分に正殿1階内部の監視カメラが正殿の東側出入口付近の室内で、何かが一瞬小さく発光するものを捉えていることから、電気室でのショートの可能性が高いとし(甲14)、そこから可燃物の燻りがはじまり(甲19)、2時34分の人感センサー(赤外線センサー)の発報から6分後の2時40分に感熱式の火災警報が発報していることから(甲14)、大量の黒煙を発する「無炎燃焼」(炎が上がらず煙だけが上がり続ける現象で、いわゆる燻っている状態である。この状態のときに、何らかの可燃物が接触したり、空気が流入することで有炎になる可能性がある。)が生じていたと推論している。炎を出さない無炎燃焼では黒煙は猛烈に発生するが、温度の上昇は遅く、火災報知器は速やかに感知できず、発令は遅れるからである(甲17)。また、「通常家庭用のコードならショートする温度は2000度から3000度であるが、一瞬であり、材木などの可燃物を着火するだけのエネルギーはないが、無炎燃焼は起こりうる」(甲15)。警報から約10分後に真っ白なフラッシュ光が何同も映像に捉えられている。延長コードには30箇所以上の溶融痕があり、他の配線には奉神殿から正殿のケーブルを除き溶融婚がないことも状況証拠となる(甲17)。

3 鍵谷氏は、また、再発防止検討委員会の報告書が、出火原因について

 「詳細は不明であるが、電気的なトラブル」(乙9)としていることに対し、「状況証拠を積み上げることで、起こった現象を科学的に合理的に説明できるのであれば『原因は究明』されたと判断しても誤りとは言えない。」とし、「再発防止策を論じるには、たとえ確定できないとしても、原因究明は不可欠である。例え、原因が確定できなくても、状況証拠から合理的に説明ができれば、限りなく事実に近いのである。」として、再発防止委員会の姿勢を批判している(甲18)。

 その「原因究明」に対する考え方は、出火原因の立証については因果関係の立証と同じく高度の蓋然性(約80%)立証ができれば、原因について100%の確定ができなくても足りるという最高裁ルンバール事件判決の立場と一致している。

 

第3 火災時系列表

 本件火災に関する事実を再発防止委員会作成の最終報告書、鍵谷論文等から取り出し「火災時系列表」(末尾添付)として整理した。被告、補助参加人の認否を求める。

以上

 

[1] 報告書(乙9)には次のような記載がある。「人感センサーが発報した際は、待機していた警備員に発報場所まで行って様子を確認するように指示を出すことになっていた。その際、警備員は1人で発報場所まで行くことになっていた。発報場所で異常を発見した際には、無線を使って首里杜館地下2階防災センターに連絡した上で、モニター監視している警備員と2人で対応することになっていた。警備巡回マニュアルにもその旨の記載がある。」(p124)

(別紙)

 

時系列整理表

 

1 乙9、甲13、及び甲14に基づいて、整理した。

2 それ以外の証拠に基づく事実は、証拠番号を記載した。

3 推論・コメント等は、斜字とした。

4 火災発生後につき、警報からの経過時刻を、括弧内にゴシック体で記載した。

 

令和元(2019)年10月30日~31日

 

第1 火災発生前

 

18:45 清掃員がLED照明のスイッチを切る(甲6・6頁)

20:40 組踊上演300周年式典等各作業スタート(御庭)

21:00 業者3名で正殿内へ扇を所定の場所に移動(1階南側)

21:05 業者退出確認

21:30 財団職員1名にて正殿内へ紅白ロープを所定の場所へ移動(1階南側)

正殿ブレーカが自動で落ちる。

21:35 財団職員正殿退室。シャッターを閉め施錠(火災に気づくまで正殿内巡回の最後。5時間後に警報)

1:05 御庭での組踊実行委員会及び財団発注イベント(国王、王妃出御)に係る業者の撤収及び退出を財団職員が確認(業者66名、職員3名)

1:20 警備員巡回開始(城郭内。正殿には立ち入らず)

1:43 機械警備(SECOM)起動

 

 

第2 火災発生後

 

○登場人物

・奉神門中央監視室

常駐警備会社※1警備員A(奉神門中央監視室で、モニター監視中)

常駐警備会社警備員B(奉神門中央監視室で、仮眠中)

設備会社※2監視員C(奉神門中央監視室で、仮眠中)

※1沖縄ビル・メンテナンス㈱か 

※2㈱沖縄環境開発センターか  

・二階御殿南側警備ボックス

常駐警備会社警備員D(二階御殿南側警備ボックスで、仮眠中)

・首里杜館地下2階防災センター

常駐警備会社警備員E(城郭外巡回から防災センターへ戻って来た。)

常駐警備会社警備員F(首里杜館地下2階防災センターで、仮眠中)

・首里杜館地下中2階中央監視室

設備会社監視員G(首里杜館地下中2階中央監視室で、仮眠中)

・遠隔警備会社

セコム㈱

 

○監視カメラ(正殿に4台)

①正殿御庭側(正面)

②正殿北口側(北側)

③正殿後之御庭側(裏側)

④正殿1階内部

2:30 正殿東側出口付近の室内で一一瞬の発光が監視カメラ④に映る(甲14)。

(この時、火災発生か?)

 

2:34 機械警備が警報発報(熱感知人感センサー)

警備員A:奉神門モニターで確認、仮眠中の警備員B:目を覚ます。

 

2:35(01分)  警備員A:セコムに電話し、現場確認に行き、確認後に改めて電話する旨を伝えた。

この段階では、警備員Aは、人感センサーが火災によって発報している可能性を想定できていなかった。

 

2:37(03分)  監視カメラ④の映像が落ちる。

 

2:37'27"ころ 警備員A:人感センサーの解除キー、シャッターの鍵、懐中電灯及び無線機を持参して、現場確認に向かった。消火器は持参せず

この間、監視モニターを、警備員が誰も見ていない時間帯あり

(内規違反)

 

2:37'52"ころ 警備員A:正殿北口のシャッターを解錠して正殿内に入った。

その後、正殿北口入口の階段を上って、左に曲がって、4mから5m進んだ2階に上る階段手前で、煙に気付いた。

(この時の火災の発見が、通報につながっていない。)

警備員Aは、その先に、屋内消火栓があることは分かっており、実際、屋内消火栓の赤いランプも煙の中で微かに見えていたが、煙を吸い込んでしまったこともあり、身の危険を感じ、それ以上先に進めなかった。

 

2:39'27"ころ 警備員A:奥に進んで消火器を取りに行く状態ではないと判断し、消火器を取るために、中央監視室に向かって全力で走って戻った。

この時から、正殿北側シャッターを半分開けたまま放置

 

2:40(06分) 警備員A:警備員B及び監視員Cに、火災であることを伝える。

仮眠中だった監視員Cは、この時、目を覚ました。

火災報知器が発報。セコムに自動通知がいき、セコムから電話が入る。

 

2:40'28"ころ 警備員A:セコムからの電話に、正殿で煙が見えた旨を伝えたところ、セコムの方から消防へ通報した方がよいかを確認されたため、セコムに消防通報を依頼

監視員C:この間、正殿に向けて照明を照らしていた。

警備員AB:この後、事前に火災時の役割分担が決まっていなかったので、役割分担について話し合いはじめる。

 

2:41(07分)  セコム:消防に通報。「正殿(の)エリア」で煙が出ているが、火災の規模や詳しい場所等の詳細については不明、との通報内容

 

2:41'11"ころ 監視員C:ABがまだ話し合っていたため、ABに伝えず、一人で消火器を持って正殿に向かう。照明付きのヘルメット、LEDライト及び消火器を持参

 

2:41'32"ころ 監視員C:正殿北口に到着し、半開きのシャッターから、正殿内を確認したが、中は既に煙が充満し、煙が外に噴き出している状態で、中に入れず。

 

2:42'43"ころ 監視員C:後之御庭に面した正殿東側には、施錠されていない木製の引き戸があったため、そこから正殿内部に入ろうと思い、後之御庭に到着した。しかし、そこでも引き戸の隙間から煙が噴き出している状態であったため、監視員Cは、正殿の中に入って消火することは難しいと判断した。

 

2:42'54"ころ 監視員C:消防通報の有無を確認していなかったこともあり、消防通報を優先するため、奉神門中央監視室まで走って戻った。

この間、放水銃を使用しなかったが理由を、火元が見えなかったためと説明している。

監視員Cが戻った時点でも、警備員Aと警備員Bは話し合いを行っていた。

 

2:43(09分) 

監視カメラ③に正殿北東部でフラッシュ発光を感知。①に御庭の煙はあまり見えない。

 

2:43'18"ころ 監視員C:警備員Aと警備員Bに、消防へ通報するように依頼した。

しかし、警備員Aと警備員Bは、既にこの時点で遠隔警備会社に消防通報を依頼していたこともあり、自らで改めて消防へ通報することはなかった。

監視員C:その後、設備会社の業務責任者に電話連絡した。

監視員C:火元が確認できていなかったこともあり、奉神門中央監視室にある放水銃及びドレンチャーの共通起動ボタンを押すことはなかった。

 

2:44(10分)  消防が、セコムから告げられた電話番号に2度架電したが、つながらない。

(首里杜館防災センターなE外回り、F仮眠、奉神門は?)

 

2:46(12分)  監視カメラ①が、正殿北側の赤い発光を捉える。点滅。御庭は黒煙に覆われ、やや暗い北口はカメラに映らなくなる。

監視カメラ③が捉えていた正殿北東部のフラッシュ発光は小さくなっている。

 

2:46'46"ころ 監視員C:消防隊の進入経路を確保する必要があると考え、警備員Dが火災状況を把握しているか分からなかったこともあり、二階御殿南側警備ボックスに向かうため、消火器持参で、奉神門中央監視室を出た。

(なぜか内線でDと連絡しようとはしてない。)

 

2:46'59"ころ 監視員C:正殿北口から正殿内の様子を改めて確認

 

2:47 監視カメラ③、正殿北側にちいさな炎

 

2:47'17"ころ 監視員C:正殿東側の後之御庭を通って、黄金御殿から二階御殿南側警備ボックスへ向かう。

警備員AB:このころようやく警備員Aが消火を担当し、警備員Bが首里杜館地下2階防災センターへの連絡、モニター監視及び電話対応を担当することを決めた。

 

2:47'49"ころ 警備員A:監視員Cが再び奉神門中央監視室を出ていたため、初期消火と監視員Cを探すために、奉神門中央監視室を出る。タオルを顔に巻き、無線機及び消火器を持参

 

おなじころ 警備員B:首里杜館地下2階防災センターの警備員Eと連絡、警備員Fの応援を要請

警備員E:それまで城郭外を巡回中であったが、この直前に、首里杜館地下2階防災センターに戻って来ていた。

警備員F:仮眠中であったが、警備員Eに起こされて目を覚ます。

監視員G:首里城火災発生時、首里杜館地下中2階中央監視室で仮眠中であり、自動火災報知設備の発報には気付いていなかったと思われる。

 

その後 警備員EF:首里杜館地下2階で、警備員Fが二階御殿南側警備ボックスにバイクで応援に行くための準備を行う。

(二階御殿警備ボックスに設置の電話着信音が小さくて聞こえない状態になっており、連絡が取れないため)

警備員D:この時点で、二階御殿南側警備ボックスで、仮眠中消防:火災の規模や詳しい場所等の詳細が判明しなかったため、情報収集と門の解錠依頼のために、首里杜館に向っていた。

消防は、セコムとのやり取りから、Aが首里杜館にいると思っていた。

 

2:48(14分)  消防(首里第一):首里杜館に到着

 

2:48'10ころ 警備員A:Cを探して奉神門中央監視室を出た後、正殿北口から正殿東側の後之御庭に向かったが、Cは、この時点で、既に、黄金御殿を抜けて、奥書院通路から城郭外に出ていた。

 

2:48'22"ころ 警備員A:Cを見付けることができず、正殿東側の後之御庭から、正殿北

口に戻る。

 

2:48'49ころ 警備員A:Cが戻っているかもしれないと考え、再び奉神門中央監視室に

引き返した。

 

同じころ 監視員C:二階御殿南側警備ボックスに到着し、警備員Dを起こした。

セコムの車両:ほぼ同時に、二階御殿南側警備ボックスに到着

 

2:49'14"ころ 監視員Cと警備員D:二階御殿南側管理用ゲートを開けた。

 

2:51(17分)  正殿1階の発光が消える(監視カメラ③)。

 

2:52(18分)  爆発的に炎上し、次第に南殿方向へ延焼(監視カメラ③)

 

2:52'26"ころ 警備員A:奉神門中央監視室から、正殿北口に向かい、炎の近くまで接近して、消火器を噴射した。(初めての消火活動)

 

2:53'56"ころ 警備員A:消火器を切らしたため二本目を取りに奉神門に戻る。

 

2:53(19分)  警察:二階御殿南側管理用ゲートに到着

監視員Cと警備員D:警察の事情聴取を受ける。

 

2:54'46"ころ 警備員A:正殿正面の北側に近付き、2本目の消火器を噴射

 

2:56(22分)  消防(首里第一)、Fにバイクで誘導され、二階御殿南側管理用ゲートに到着

 

このころ 警備員Bと警備員E:それぞれ奉神門中央監視室と首里杜館防災センターで複数回連絡を取り合う。

 

2:56'11"ころ 警備員A:正殿に走って向かう。

 

2:56'30"ころ 警備員A:正殿北口のシャッターを閉めようとするも、数十cm開いた状態のままで締め切ることができなかった。

 

2:56'35"ころ 警備員A:奉神門に戻る。この間、放水銃を使用しなかった。

 

2:58(24分)  消防(首里第一)、二階御殿南側防火水槽に部署

 

3時ころ 監視員G:設備会社業務責任者からの連絡によって、ようやく目を覚ました。

 

3:05(31分)  消防局指令センター、ようやく首里城と連絡が通じる。

 

3:05(31分)  消防(首里第一)、ようやく放水開始

 

3:22(48分)  財団:公園事務所、県庁と電話連絡

 

3:57 正殿全体が、炎に包まれる。

 

4:00ころ 正殿防犯カメラの映像が、順次、途絶える。

 

11:00 消防:鎮圧(警報発報から11時間)

 

13:30 消防:鎮火、その後、残り火の作業

 

 

以上

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