活動理念
はじめに
About
沖縄のシンボルであり、魂であり、
そしてアイデンティティーであるとも言われた
首里城が火災で焼失し日本中に大きな衝撃を与えた事件の
出火原因が不明とされ、だれも責任を問われることもないままなのを
ご存じでしょうか?
火災直後から、全国よりたくさんの暖かい支援の言葉が寄せられ、再建のための寄付が集まりました。そのような暖かい支援の声に応えるためにも、火災の原因を究明し、管理責任の所在を明らかにし、再発防止に向け管理の体制を一新する必要があります。
しかし現実は、沖縄県は原因も責任も置き去りにしたままで深く追及することもなく、ただただ「再建」だけが独り歩きして前に進んでいます。火災原因も責任問題もうやむやなまま2年がたち、責任についてどうせ誰もそこには切り込めないだろうというあきらめに似た思いが漂い、沖縄県民の意識も薄れ始めていると感じています。
こんな現状に一石を投じたい。それが私たち原告団の願いであり、裁判の過程を通じて、火災原因を特定し、管理責任の所在を明確にして、再建後の首里城の管理体制が一新されることを求めてゆきたいと考えています。
事案の概要
首里城の所有者は国です。国は沖縄県に、沖縄県は指定管理者の一般財団法人沖縄美ら島財団に、首里城の管理運営を委託しています。
首里城の実際の運営管理一切を行う美ら島財団は、指定管理者として首里城の保全と安全な管理運営に最善を尽くす義務を負い、2億円の固定費を沖縄県に支払う代わりに年間11億円あまりの入場料収入から納付金を差し引いた分を収入として得ていました。
そして2019年10月、首里城火災が発生しました。
建物の7棟が全半焼し、焼失した建物の内部に展示されていた文化財400点ほどが焼失してしまいました。焼失を免れた文化財も、火災で損傷し、修復が必要なものが多数あるようです。
このような重大な火災が生じたにもかかわらず、火災原因は明らかにされず、実際に管理をしていた美ら島財団は何らの責任も問われることなく、これまで通り指定管理者として焼け跡の運営にあたっています。
訴訟の形式の問題もあり私たちの住民訴訟は、沖縄県に対して、火災の損害賠償として1億6000万円を管理責任のある美ら島財団に請求するようにと訴えています。8月16日に訴状を提出し、公判が11月16日に始まりました。
この裁判を通して、ずさんな運営管理の実態を指摘するとともに、もし美ら島財団がしっかりと管理していたら、たとえ火災が発生してもこれほどの大事にはならなかったことなど、疑問点を明らかにする予定です。
また訴訟の過程では、火災原因や、沖縄県や国の監督責任なども浮かび上がらせたいと思います。